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鉄まかせ越前フクイ漫遊記

〜国境の長いトンネルを食パンに乗って抜けるとそこは雪国だった・・・・〜
伽 枕流
   みなさーん!冒険してますかー!青春してますかー!・・・・なんじゃそら。

 ということで(どういうこと?)、会報編集主査の加山と申します、ペンネームを「伽 枕流」と号します、以後宜しくお願いいたします。
 今回は、小生のへろへろな旅行記なぞを御送りしたいと思います、お暇でしたら最後までお付き合いくださいませ。

 さてさて昨年冬のこと、越前福井に本邦髄一の韋駄天釣りかけ車が生き残っているとの事で、昭和末期世代の小生は、
「加山くーん、本物の旧型車ってのを、体験するなら今のうちじゃあ!」
 という師匠H1先生の「旅のススメ」に刺激され一気呵成、寒空の早朝五時、本省横濱駅に旅行鞄を抱えて乗り出していた。
 産まれて初めての泊り掛け一人旅・学割・片道七千円の普通乗車券・・・・?!
 そう、これは果てしない鈍行の旅、新幹線はおろか、大垣夜行(ムーンライトながら)の座席指定券510円さえもケチっての節約行!
 まぁ、子供の頃から一度、線路で繋がっている遠い何処かに行きたい、いつもの駅で降りることなく電車に際限なく乗ってみたい、などと良からぬことを夢想していたので、「じゃあ、やってしまえ!」とばかりに今回挑戦した次第。

 二扉九連・・・・あれ?不思議な編成アナウンスに誘われてやってきたのは373系特急電車の「普通電車」静岡行きであった、思いがけず恵まれたリクライニングシートに身を任せT-Trak Networkの某氏の影響で聴き始めたAngeraをエンドレスなテーマ音楽にして「帝都物語」を読みつぶし、時折車窓に映る鉄道風景に目を輝かせながら三時間、しかしこれは長い東海道中の第一行程にすぎなかった。

 岳南・静鉄・大井川・天竜浜名湖・名鉄と、ちらちら見える鉄道風景と単調な原風景の繰り返しに酔いながら、管理局・・・・失敬、支社ごとに乗換えを繰り返し大垣に着いたのは横濱を発ってはや七時間後のこと。

 伊吹颪と日本アルプスの清廉な空気に包まれて、関が原を満員ラッシュの313系二連で越え、やっとこさ、西日本管区と東海管区の分水嶺である米原に到着。
 乗り換えの間合いをついて、近江鉄道に乗車、彦根まで福井に向けての予行演習にと彦根まで寄り道。
 木造駅舎というシチュエーションに早くもボルテージが上がり、ゆらゆらと揺らめく陽炎の中、頼りない単線軌道と傾いた木造架線柱を観察、平日ということもあり小生の求めた硬券切符(幼少の頃の江ノ電以来!)を切ってくれた駅員さんの訝しげな視線を感じつつ、ホームに降り立つ。
 やってきた堤さんとこの中古に揺られ、ガタガタと物凄い振動と共に、かつてTMS誌上でジオラマを見て憧れていた鳥居本駅の退廃的ともいえそうな長閑とした雰囲気に圧倒されつつ、着いた先の彦根駅、そこは鋼製ワブと買収電機がゴロゴロと転がるヴンダーランド!
 生憎、駅の改良工事で近づけなかったものの、不審者オーラ全開で化粧直しされたワブやワの群れ、買収国鉄機や古典輸入機を出自とする水色の電機達、GM の床下機器パーツでしかお目にかかったことの無いような旧型抵抗器やCS10あたりと思しき制御装置を提げた弓型イコライザー台車履きの元木造電車、レールバスなど貴重な車輌勢を激写。
 一息ついて米原方面に戻るため、始めて乗るJR西日本琵琶湖線の近郊電車、東の節約電車とは比べ物にならない、そのバブリー感に歓喜しつつ一路、今期国営放送の大河ドラマで一躍全国区となった山内一豊公最初の居城、長浜を目指す。
長浜駅でいそいそと223系の流麗な車体から降り立つと、そこにはヌボーとした電気ガマがのっそりと待っていたのであった・・・・そう食パンと電気ガマの聖地、北陸路へ小生は脚を踏み入れたのだ。
 次回、遂に武生に到着、福武電車との感動のめぐり合い!!・・・・って、遅っ!

次回へと続く・・・・
今回の行程

横浜発AM5:30
 横浜 373系9両編成 東海道本線普通
 静岡 211系5000代4両編成 東海道本線普通
 浜松 313系4両編成 東海道本線新快速
 大垣 313系2両編成 東海道本線普通
大垣着PM12:40
 米原 近江鉄道800系
 彦根 223系6両編成 琵琶湖線快速
 長浜 419系4両編成 湖西線普通
 近江塩津 419系4両編成 北陸本線普通
武生着PM16:34

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