■公式規格
・台枠の寸法
全ての基本となるのは、幅310mm×奥行210mmのスペースに複線の線路を配置したモジュールです。「複直標準」などと呼ばれています。
幅310mm×奥行210mmという寸法は、A4判(幅297mm×奥行210mm)の寸法を、ユニトラックの長さの規格(62mmの倍数に揃える)にあわせて少し広げたものです。モジュールの基礎となる台枠に市販のA4判パネルを使えるため、工作の手間が省け、誰でも正確な寸法のモジュールを簡単に作ることができます。
※ただし、線路の長さが台枠の幅より短くなると接続ができなくなるため、特に直線モジュールをユニトラックのみで構成する場合、台枠の線路方向の幅は約308mm程度とする必要があります。
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・線路の設置
線路にはKATO製のNゲージ組立式線路「ユニトラック」を主に使います。線路配置は複線が基本で、位置は手前側線路の中心がモジュール前端から50mm、複線間隔は25mmです。ユニトラックの道床の幅がちょうど25mmですので、直線線路を2本ぴったり沿わせて設置すると正確な複線間隔になります。なお、線路に勾配は設けないものとします。
モジュールどおしの接続は、クランプなどは使わず、線路のジョイナーのみで固定します。このため、モジュールの中央部分にはユニトラック以外の線路も使えますが、両端の接続部には必ずユニトラックまたは互換性のあるものを使うようにします。
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すべてのモジュールには、外側・内側それぞれの線路に一ヶ所ずつ、あわせて二ヶ所の給電フィーダーを設けます。フィーダーコードの端には、KATO製品あるいは互換性のあるコネクタープラグを取り付けます。コネクターの向きは、ユニトラックのものを用いた場合に各レールに対応する電線の色が手前から青・白・白・青となるように配線します。ユニトラックのフィーダー線路をそのまま使う場合は、右の図のようにフィーダー線路を配置します。フィーダーコードのコネクターの近くには、運転会の時の目印として、外側線に赤、内側線に黄色のタグを付けておきます。
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・風景の制限
直線部分の建築限界(車輌が通過するために建物などの障害物を設置してはならない範囲)は、両側が線路中心からそれぞれ12.5mmずつ、上空はレール上面から44mm、下方はレールの上面までです。景色をつくる際には、この範囲の中に周辺の建物や木の枝などが入り込まないようにしなければなりません。特に下方については、敷石が浮き上がって集電不良や脱線の原因となることが多いため注意が必要です。
・線路までの高さ
モジュールの高さは、RMM掲載時の規格では、「接地面からベースボード上面すなわちユニトラックの底面までの寸法を60mmとする」旨定められました。ただし、実際の運転会において60mmでの運転が行われることはほとんど無いのが実情です。T-Trak Networkの運転会では、接地面からベースボード上面すなわちユニトラックの底面までの寸法を100mmとし、アジャスターを備えて±5mm以上の調節ができるようにしています。
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・コーナーモジュールの規格
コーナーモジュールの大きさは、310mm×310mmの正方形です。ベースボードには、市販のジャケット判(300mm×300mm)のパネルを少し広げて使えます。
接続部分の線路配置の寸法は直線モジュールと同じです。曲線部分の最小半径は120mmです。120mm以上であればどんな半径でも構いませんので、右の図のようにユニトラックのR216-45、ファイントラックのC140-30・60などを組み合わせても使えます。
※曲線の最小半径は、規格決定の当時、既製の小型車輌がほぼ走行可能な値として決定されましたが、連結運転の場合やその後に発売された連接車では、半径120mmを通過しないものがあります。概ね、半径140mmかそれ以上を確保することをお奨めします。
どのような場合でも、直線モジュールと同様に、フィーダーとユニトラックの接続部分を必ず組み込みます。
建築限界は直線モジュールと異なります。高さ方向と直線部分の線路両側への寸法は直線モジュールと同じですが、曲線部分の線路両側への寸法は、内側が線路中心から17mm、外側が18mmとなります。なお、この値は最低値ですので、実際には各種の車両を実際に走らせて、接触のないよう調整します。
高さなど、この他の規格は直線モジュールに準じます。
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