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路面モジュールの規格と特徴

   「T-Trak」「路面モジュール」は、おもにNゲージの小型車輌の模型を走らせることを目的に考えられた、簡易なモジュールレイアウトの規格です。名前の通り、路面電車の走る風景をつくるために考案されたものですが、それに限らず軌道から幹線まで、いろいろな風景に応用できると思われます。規格の決定に際しては、既製の規格品を極力利用できるものとし、ベースボード製作や線路敷設にかかる手間を減らせるように考えられています。また、基本寸法が小さいため、電車やバスでも持ち運びやすく、運転会にも持ち込みやすいのが特徴です。
 詳しい内容は下のリンク先をご覧下さい。
  • 公式規格:RailMagazine Models誌上で練り上げられた公式規格です。まずはこちらをご覧下さい。
  • 規格の応用:規格の応用で作ることのできそうなものを紹介します。
  • ローカル規格:より様々な風景の表現や運転を楽しむための規格です。

規格を読む前に

 鉄道模型のレイアウト(ジオラマ)をつくるとき、自分だけで作って自分だけで遊ぶのであれば、特に規格などは必用ありません。自分の作りたいように作れば良いのです。
 しかし、自分だけで大規模なレイアウトを作るのは大変ですし、また同じ趣味の仲間で車輌などを持ち寄って遊ぶのもとても楽しいことです。そんな時に、各自が好きなように作っていたのでは、共同で大きなものを作ることはできませんし、他の人の車輌は自分のレイアウトを走れないかもしれません。
 そこで、各自で作ったレイアウトの部分部分(モジュール)をつなげたり、どんな車輌でもスムーズに走行できるようにするため、最低限の約束を決めています。これが「規格」です。

 路面モジュールの規格は、一人で大きなものを作るのが難しい「路面電車の走る風景」を楽しむため、そうした風景を作りやすい寸法と、市販の路面電車製品を走らせられる線路の最低限の条件を決めたものです。
 具体的な内容は、おおよそ次のようなものです。
  • 直線モジュールの長さは310mm(またはその倍数)にする
  • 接続部分にはユニトラックを使う
  • 接続部分の複線間隔は25mmに揃える
  • 曲線の半径は120mm以上にする
  • 勾配はなし
  • 建築限界を守る
  • フィーダーと目印ラベルを正しく付ける
  • 接続のためにモジュールの高さを揃える
 こうした決まりごとは、「誰のモジュールとでもつなげられる」「どんな車両でも走らせられる」という目的をかなえるためにあるものです。より詳しい規格はこの先のページに書かれていますが、だいたいこの条件さえ満たしていれば運転には支障は出ません。あとは創意工夫で、様々な風景を作っていくことができます。

>公式規格を読む

規格策定の経緯と用語について

 雑誌「RM Models」誌上で、2000年9月号(2000年7月末発売)から「路面電車の風景を作るための規格」を作ろうという連載企画が始まりました。この際の呼称が「路面モジュール」、「路面モジュール規格」です。基本的な規格は2000年末までに定まり、2001年3月に東急電車とバスの博物館で開催された「RMMフェスタ2001」で、最初の公開運転会が行われました。
 規格の検討に当たり、2000年8月の第1回JAMコンベンションにおいて、来日していた米国N-TRAK会長であるJim & Lee Monaco-FitzGerald夫妻へのインタビューなどが行われました(RM Models 2000年11月号に掲載)。この後夫妻がアイデアを持ち帰り、彼の地で紹介された際、規格を指す言葉として名づけた名前が「T-TRAK」です。「T」は「TRAM」などから取られたそうですが、路面電車だけではなく、幅広い風景を作り出せる可能性も込められています。実際、海外においては、軌道線よりはむしろ、広く支線(ブランチライン)の風景に適した簡易な規格として紹介されています。また、Nゲージのみに留まらず、「道床付き組線路の規格にあわせた小型規格」というアイデアに基づいて、「"T-TRAK"-HO」「"T-TRAK"-O」などの規格も作られています。詳しくはLee Monaco-FitzGerald夫人による米国のT-TRAK公式サイトhttp://www.t-trak.org(英文)をご覧下さい。
 なお、上のサイトでは、「路面モジュールの規格」と「T-Trak規格」は別のものであり、T-Trak規格は「日本から導入したのもではなく、路面モジュール規格を元に独自に考え出されたものである」との立場を取っています。「T-Trak」という言葉も、現在では、路面モジュール規格だけではなく、上で述べたような「道床付き組線路の規格にあわせた小型規格」というアイデアそのものを指す状態になっているようです。
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